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Bread,Bread Making,Wheat, Agriculture etc...
パンを知る

【パンってどこから来たの?】知ればもっと楽しい

前回の小麦と製粉の歴史に続いて、パンの歴史ついてご紹介します。

日本には様々なパンがありますが、それは過去に各国で発展を遂げた上である壮大なお話なのです。

そんな世界のパンの歴史を知れば、もっとパンを食べる事が楽しくなりますよね!
パンの発展を世界史と交えて、解説していきます。

パンの誕生、どーんと世界へ

エジプト:偶然の産物、発酵パン

前回の記事でもお話ししましたが、小麦はチグリス・ユーフラテス地域から、まずエジプトへ伝わりました。そこで「発酵パン」が誕生したのです。
パンと言えば、”発酵”という特徴があるからこそ、奥が深い食べ物だと思います。

発酵パンは偶然できた「神からの贈り物」と言われたのはご存知の方もいらっしゃるかと思います。
空気中の細菌や酵母菌と生地中のグルテンの力で、ふっくらとしたパンが誕生しました。

さらに、石臼が改良され、外皮を取り除いた綺麗な粉が作れるようになったことで、小麦の可能性が広がりました。

ギリシャ:パン職人の誕生

紀元前8世紀頃、古代エジプトのパン技術はギリシャへ伝えられました。その頃の古代ギリシャは都市国家として繁栄していました。

ギリシャ人はエジプトの製法の他に、2つの方法による酵母種を発明しました。
ひとつは、粟とブドウのしぼり汁を混ぜたもの、もうひとつは小麦のぬかと3日間熟成させたブドウ汁によるもので、発酵がしやすくなったそうです。

オリーブオイルやドライフルーツなども加えられ、嗜好品として楽しむパンもできました。
ケーキも同様に発展し、紀元前200年頃には72種にも及んだと示されています。
西洋文化は、ギリシャ精神が根付いていて、こんなに昔から嗜好品としてのパンが作られていたなんてビックリです。

そして、この頃からパン職人が登場するようになったと言われています。

古代ローマ:パン生産増産

その後、最盛期を終えた古代ギリシャは、マケドニア王国のアレクサンドロス王の死去により、弱体化してしまいました。

その頃一方、共和制ローマが力を蓄え、繁栄しはじめました。

製パン技術は、奴隷となったギリシャ人からローマ人へ。
ローマ人のパン職人が育ち、パン学校、パン工場、、、とパンの工業生産に入ったと言われています。

兵士の軍備用に作ったり、貴族はひいきのパン職人にパンを焼かせたりすることもあったそう。
前回の「小麦・製粉」の記事でも、奴隷を使った製粉がローマで広まったと勉強しましたね。
貴族と平民の貧富の差は拡大していきました。

キリスト教とともに、ヨーロッパ全土へ

紀元前4年頃、イエスが誕生し、新しい考え方を広がりはじめました。
しかし、ユダヤ人の反発によりイエスはローマ教皇により処刑されしまいます。その弟子たちが広めたイエスの新しい考え方がキリスト教なんです。


このキリスト教の出現により、ローマ帝国は不安定になり、滅亡してしまいます。

突然、キリスト教の話が出てきてなんだと思われるかもしれません。
ここでパンの話に戻ります。


キリスト教では「パンはキリストの肉体である」と認識されているそうです。
ローマでキリスト教が国教化したことにより、キリスト教とともにパンがヨーロッパ全土へ広まったそうです。

すごく壮大なお話ですよね。
勢力を持った国の移り変わりにより、進化を遂げたと考えると面白いです!

イタリアから、イギリス、フランス、ポルトガル、、、各国へ。

(Googlemap引用)

ルネサンス・大航海時代、世界中へ

大航海時代では、香辛料を求め、ヨーロッパ諸国からアジアへ旅に出ました。
その旅路でアメリカ大陸が発見され、イギリスなどヨーロッパ諸国から移民が移り住んでいきました。
ピルグリムファーザーズといい、こちらも宗教の問題でイギリスから移動していったんですね。その後アメリカは独立戦争で独立を実現させました。

そんなこんなで、ヨーロッパからアメリカ大陸へパン文化が伝えられました。

科学の発達とともに

19世紀中頃、パスツールが酵母の働きを解明し、酵母を工場で生産することが可能になりました。

製粉技術も産業革命の時代に各国で機械化し、大きな発展を遂げます。
パンの技術と製粉の技術がともに発展し、さらなる大量生産へ。

※世界史については諸説あります。また、本記事は2021年2月6日時点の情報を基に記載しております。

さいごに

「パン」の歴史について、本を読んで私なりにまとめました。
エジプト、ヨーロッパ、アメリカ、、、徐々に受け継がれたパン作り。
ここまで広まったのは、やはりパンの美味しさがどの国でも認められたからなんだと思います。

飽和状態のパン業界だと思いますが、今後どのように発展していくのか楽しみです。

次回は、「日本のパンの歴史」についてご紹介します!

(参考資料:「小麦の科学」
       「パンシェルジュ検定3級テキスト」
       「小麦粉-その原料と加工品-」
       「Wikipedia ”古代ギリシャ”、”古代ローマ”、”アメリカ合衆国”」

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