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パンを知る

【国内小麦の流通制度】小麦から農業を考える

最近国産小麦のパン多いですよね!

国産しか使用しないと断言しているパン屋さんもありますね。
今は、小麦を作っている農家さんの顔が見える、こだわりの小麦粉もあります😳

ただ、勘違いしやすいところですが、決して国産であれば何でも安全なものということではありません。
それを考える第一歩として、小麦がどのように私たちに届けられるのか、流通過程を考えてみましょう!!

民間流通のしくみ

先日、外国産小麦の輸入制度について記事を書きました。
そこでは外国産小麦は政府が管理していると説明しました。
よかったらそちらの記事も読んでみてくださいね!
https://pumipan-ovkitch.com/flourprice/

国産の小麦は、外国産とは異なり、全て民間流通となっています。
比較するとこのようになります。

<外国産小麦の国家貿易>

<国産小麦の民間流通>

さらに詳しく! ※ざっと読みたい方は飛ばしていただいて結構です。

民間流通制度になる前は?
現在では民間流通制度へ100%定着していますが、この民間流通制度に移行したのは平成10年「新たな麦政策大綱」が策定されてからです。

これは、需要に即した良品質麦の生産を推進する観点から、生産者と実需者が品質評価を反映した直接取引を行うしくみで導入されたそうです。

当時農産物検査規格があるのみで、品質を前提としたものではありませんでした。
使う側にとっては必ずしも希望しない品質の劣る小麦を買い受けせざるを得ない状態や、生産者にとっては品質向上に対する誘因が生じないといった状況があったそうです。

民間流通への移行過程では、「契約生産奨励金」という民間流通をした方が補助が出て有利になるよという措置が取られ、民間流通へと促されました。

小麦の契約を行う流れ

入札制度

前述したように、国産小麦は生産者と製粉会社等が直接契約をします。
正確には個々の農家を集約した農協JAとの契約が多いです。

適正な価格で取引するために、販売予定数量の30%が入札取引により、残りの70%が相対取引により決定されます。

①入札取引…いわゆるオークションですね。高いものから申し込み量に応じて落札されます。

②相対取引…入札で形成された指標価格を基本とし、契約当事者間で協議・決定します。

麦の参考資料-農林水産省より引用)

事後調整

また、国産小麦の契約は播種前(種まきの前)に締結されることが基本です。
これを播種前契約と言います。

販路が明らかになっているため、生産者は安心して生産ができるようになっています。

つまり、製粉会社と生産者が契約してから購入して使用するまでに1年の期間が存在します。
その間に国内の生産量が大きく変動したり、輸入小麦との価格バランスが崩れる可能性があるということです。
それに備えて、2回の「事後調整」というしくみがあります。

輸入小麦の政府売渡価格の変動(4月と10月)に応じて、国産小麦の取引価格も調整されます。

具体的には、このような式です。

国産小麦の播種前取引価格 × 輸入小麦の政府売渡価格の変動率(※)
(※国産小麦の播種前取引価格が形成された時点の政府売渡価格から実際に取引される時点での政府売渡価格の変動)

ちょっと難しいですね。
とりあえず、輸入小麦の価格とかけ離れないように調整しているということです。

さらに収穫してから分かった等級間格差や品質評価基準に基づく差などを考慮して決定されるのです。

参考ページ:国産麦(小麦)の民間流通の仕組み-民間流通連絡協議会

生産者への経営所得安定対策

現在は経営所得安定対策として、主に3種類の補助金が出ます。

①畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)
諸外国との生産条件の格差から生ずる不利を補正する交付金。

②米・畑作物の収入減少影響緩和交付金(ナラシ対策)
天候不順や市 場価格下落等による農業経営体の収入減少の影響を緩和する交付金。

③水田活用の直接支払交付金
食料自給率・食料自給力の維持向上を図るため、飼料用米、麦、大豆など戦略作物の本作化を進め、水田のフル活用を図る水田活用の直接支払交付金を実施されています。

具体的にきちんと活用されているかはわからないので、もし農家の方で見てくださっていたらどのような制度か教えていただきたいです。

国産麦をめぐる制度の歴史

1998年 新たな麦政策大綱
麦作経営安定資金+契約生産奨励金

2007年 品目横断的経営安定対策
麦作経営安定資金などによる価格・所得補填(=国産麦振興費)+契約生産奨励金(2008年産まで)+水田転作奨励金
※大規模農家に限定

2010年 農業者戸別所得補償制度
畑作物の所得補償交付金+水田活用の所得補償交付金

2012年 経営所得安定対策
畑作物の直接交付金+水田活用の直接支払交付金

この生産者を助ける制度、何度も名前やしくみを変えてきたんですね。
2010年の農業者戸別所得補償制度は政権交代をした民主党の政策です。
大規模農家に限定する自民党の制度に対し、限定しない補償制度でした。

今の政治そのものですね。
2019年に安倍政権はこの制度を廃止し、大規模化や法人化を進めてきました。
お米農家では、米を作れば作るほど赤字になり経営が成り立たなくなると、農業者戸別補償制度の復活を求める意見も出されています。

食品選択について ※ざっと読みたい方は飛ばしていただいて結構です。

私自身、安い食品に目がくらみがち…
結局、消費者は安いだけを求めすぎている。
食品選択は、自分たちの意思表示でもある。
農産物の価値に見合った価格で正当に取引されるようにならなければ…

さいごに

いかがだったでしょうか?

誰かにわかりやすく伝えようとすることで、自分の勉強にもなります。
何かのご参考になれば良いです。

下記の問い合わせリンクからでも InstagramのDMでもOKです🙆‍♀️

よろしくお願いします。

参考資料:WTO・新基本法下の麦需給・生産をめぐる動向とTPP協定と国内対策ー横山英信
     今後の麦政策のあり方-農林水産省
     経営所得安定対策等の概要

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